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ハムと木箱と中敷きと

ちょっと木箱の唄を造ってみ〼た


 
 高いハムは木箱に入っている。
なぜ木箱に入っているかはわからない。
その木箱は、ちょっとイイ匂いがする。
なぜちょっとイイ匂いがするかはわからない。
 その木箱に入っているハムは
ちょっと太めの糸で結んである。
なぜ糸で結んでいるかはわからない。
なぜ太めに糸を使用しているかもわからない。
 その木箱を躊躇なく捨てる人は少ない。
殆どの人がその木箱の再利用を模索する。
なぜ模索するのかわからない。
 再利用する場合、まず
小物入れやペン立てを考える。
 しかし、ほとんどの場合
側面に〇〇ハムと印刷してある。
時に「高級」と印刷してあったり、
時にその印刷が焼き印だったりもする。
高級ハムと焼き印がしてある小物入れは
小物入れとしては高級過ぎるのか、
小物入れと使おうと思った人の
殆どは、小物入れとして使わない。
その場合、次の使用候補上がるのは
子供の夏休みの工作の材料である。
 夏休みの工作として姿を変え
8月下旬に学校の廊下で皆の視線を浴びるのは
それはまだイイ方である。
 夏までその形を維持した木箱の一部は
バーベキューグリルの一番底に敷かれ
その上に、着火剤や松ぼっくり、
そして炭を置かれ
その使命を全うする。
そして、捨てられることもなく
肉の脂を浴びながら焼かれることもなく
幸運にもその夏を無傷で乗り切った木箱は
翌年の桜の咲くころ軒下に打ち付けられ
数年間にわたり燕の巣としての
使命を頂くことになる。
しかし、
ハムの木箱の中に敷かれている
キラキラしたビニールのみじん切りの
その後の運命はわからない。

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